2015/03/30

面白かったのでスクラップ


【夕刻の備忘録】  
2012.08.18
日本国民はその「手口」を知るべし
少し前の話である。自民党の外交部会において、かつて外務大臣を務めた議員が語っていたことを要約しておく。それは余りにも典型的な「連中の何時もの手口」であった。御存知の方も多いだろうが、知らない方は是非学んで頂きたい。今、一人残らず全ての日本国民は、この手口を知り、これに対抗する必要がある。

最重要箇所の主旨だけを引いて、簡単にまとめておく。動画で見た部会の様子を、記憶だけに頼って書くので、細かい部分は違っていることと思うが、お許し願いたい。議員は静かにこう語り始めたのであった。
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私が外務大臣の時も色々とありました。声を上げて散々やりあった後、別室で二人切りで話そうということになりました。すると彼は
「あなたはとても信頼出来る人だ。私はあなたの信頼に応えたいと思う。私自身はそう思う。しかし、それは国内世論が許さないのだ。私は殺されてもいい。あなたがたの期待に応えて、話を進めていきたいのだ。しかし私にも家族がある。親兄弟、親戚がある。彼等まで巻き込むことは出来ない。だから、あなたの話に同意することは出来ないのだ」
と涙ながらに話したんです。まあ、そんなこともありました。だから、この手の話は簡単には進まないんですよ……
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余りにも典型的なものなので、記憶が混乱して、他の場合の話も混ざっているかもしれないが、しかし、話のおよその趣旨はこんなところであった。その時、外務大臣まで務めた人物が、こんな典型的な、こんな定番の手法でコロリとやられるのか、と空いた口が塞がらなかったことを覚えている。明らかに彼は、血気に逸る若手議員を諫めるかのような口調であった。

「相手国要人とのパイプがある」と自称する政治家は、概ねこうした体験を重ねて、「自分の前で恥を曝した人間」を、交渉相手として信じ評価する悪癖がある。このパターンでやられているから、公式の場でどれほど日本を罵っても、「いや本音はそうではない、前も私の前では土下座せんばかりに謝っていた。彼を追い詰めることは、話の出来る交渉人を潰してしまうことになる」などという暢気な分析になるのだ。
では、この手口を分析しておこう。多くの人が知れば、騙される人も少しは減るかもしれない。外交のトップも、飲み屋のオヤジも、彼等が他人を誑かす時に使うのは、この定番手法なのだ。
●先ず彼等は「日本人は嫌いだ」と切り出す。
 ここで「そうか、それじゃこれで終わりだ!」と切り返せれば、話は極めて簡単である。そういう人が一人でも増えることを望まずにはいられない。

●そして、「でもあなただけは別だ」とトーンを落とす。
 女なら目を潤ませ、男なら背を屈める。この段階で、「親身になって話を聞こう」などと考えるようでは既に負けである。早くも騙されること確定である。相手は、そうした態度を見透かして追い打ちを掛けてくる。

●「あなただけは信頼出来る」「色々な差別を受けてきたが、あなたは決して私を差別しなかった」「だから、あなたの言うことは何でも聞きたい」等々と続く。
 日本人の多くは、自分の見知らぬことに対しては、先ずは相手の主張が正しいとして、そこから考える「悪い癖」がある。この場合、「色々と差別を受けてきた」ということの内容は知らない訳であるから、事実関係については、「取り敢えず相手の主張をそのまま受け入れて」しまう。また、相手と一対一で話すような状況になる日本人は、当然、差別意識など無い、疑り深くない人なので、「あなたは差別をしない」と言われても頷くだけである。頷くだけであるが、それでも「相手は自分のことを正確に見ている」という自惚れが出て来る。この自惚れが、また相手の攻撃目標になる。

●より具体的な例として、例えば借金の返済の場合なら、「返すお金は準備している」「当然、これは返さなければならない」「他の誰よりもあなたに先ず返していかないと、私の気が済まない」などと言う。気の良い日本人は、ここでまた、相手は返す意志を持っており、その意味で「極悪人」ではない、という誤った判断を下しがちである。

●そして、返せない言い訳が始まる。
「私は返したいが、私にも家族がある」という展開で、先ず相手の情に訴える。その下拵えを始める。「これを返してしまえば、家族は飢え死にしてしまう」と続ける。あなたは既に膝を乗り出して、話を熱心に聞く体勢になっているかもしれない。

●この辺りから、最後の仕上げに入っていく。
「妻が、子供が」と大泣きをして、場合によっては床でのたうち回る。女なら既に「半狂乱の演技」に入っている。これに取り込まれた人は、「もう金の話は無しにしよう」と弱気になっている。もう少し冷静な人でも、気分が滅入って、早くその場を逃れたい、その為なら今日は手ぶらで引き返してもいいと考え始める。

●締めは、生きるの死ぬのの大騒ぎである。
「家族は守りたい、だから金は返せない」「それでは信頼してくれたあなたを裏切ることになる」「だからこの場で死んでお詫びをしたい」「どうか、それで棒引きにして貰いたい」「後で家族に取り立てることはしないで欲しい」という展開で、この先いくらでも臭い演技は続くのである。
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これは戦後の日本の至る所で展開された、まさに定番中の定番、知らぬ者など居ないはずの「田舎芝居」である。このように個人で行う場合もあれば、役割分担をして複数で行う場合もある。また、組織を利用して巧妙に、「成り済まし日本人」を混入させる場合もある。
何れの場合も、先ずは相手を煽てて「取り入ろう」と試み、自己の正当性を「断言」し、我が身の悲劇を語って「感情」に訴え、泣き叫び暴れ、私の顔を立ててくれと「哀願」し、そして最後に「暴力」をちらつかせて居直る。このパターンに尽きる。

今回の問題においても、「大統領の必死のパフォーマンスだ、と冷静に見ている人も多いので、そのことだけは知っていて欲しい」などと、「裏側」から猫撫で声で発信する者もいるが、さてこうした人物が同時に、竹島の帰属問題に関して「自国の言い掛かり」を認めるか、対馬はどうか、同時に大統領が「日本国の象徴」を口汚く罵ったことを謝罪し、否定するかといえば、決してそうではない。一番重要な部分は有耶無耶にする、誤魔化す。要するに「なだめ役」を演じて、問題を矮小化させようとしているだけの話である。昔の日本人なら誰でも知っていた「手口」である。

ところが、「差別」の名の下に、「事実」さえ語られることが無くなったため、最近ではこれを知る人が少なくなった。ベテランの議員まで、人間観察のすれっからしである筈の議員まで、こんな典型的な手法でやられているのを見て、呆れてしまった。やはり伝承は大切である。

対抗策の基本は、決して「一対一の状況にならない」ことである。
次に、相手が自分のことを表現するのは、100%御世辞であって、本心ではないことを、肝に銘じておくことである。出来れば、「そんなに私を評価して、私とこうして個人的に関わっていることがバレると、親日罪で逮捕されますよ」と軽く言ってやれば、相手の目の奥に燃える憎悪の炎に、余程迂闊な人でも気が付くだろう。

また相手が、身の上話を始めたら、心の中で「待ってました!」と合いの手を入れることである。興奮し始め、暴れ出したら、黙ってその場を立ち去ってもいい。「また落ち着いたら、冷静に話しましょう、今日はこの辺りで」と言えば、急に泣き止み、急に白けて静かになるはずである。あるいは、突如として強硬な姿勢に転じて、「差別云々」と騒ぎ出す可能性もある。

そして、対抗策の神髄は、こうした話し合いの後、彼等が全く平然と立ち去り、餓えている筈の家族と共に、豪勢に外食に出て行く様子を想像してみることである。それは単なる空想ではない、ほとんどの場合、実際にその後に起こる出来事なのである。
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我々は、この手口を学ばねばならない。
詐欺師は必ずあなたを煽てる。

「あなたは煽てに乗らない人だ!」と煽てる。
そして、自分は犠牲になってもいいと、悲劇を語り出す。しかし、「自分の家族は云々」と話をそらせて、議論の筋道を外していく。

戦後の日本は、全てこのパターンでやられてきた。
地主も雇い主も、警察も政治家も。
みんなこれにコロリとやられてきた。

逆も言える。この定番パターンを多用する人間は、日本人でない可能性が極めて高い。日本人なら恥ずかしくて恥ずかしくて、とても出来ないことを平然とやりおおせるのは、日本人ではないからである。

誠に残念なことではあるが、我々日本人は「善人であることを捨てるべき時期」に来ている。少なくとも隣国に対しては。

今この瞬間、我々が怒りを爆発させなければ、本当に危ない。相手が堂々と侵略行為を働いてきた以上、「開戦も辞せず」の腹を決めなければ、本当に戦争になる。腹の探り合いが最も危ないのである。

日本国民が総決起して、「ここまで侮辱された以上は、正面から行くぞ!」と強い意思表示をすることだけが、戦争を避ける唯一の道である。

善人であることを捨て、事勿れ主義を捨て、似非平和主義を捨てる。怒りを怒りとして素直に表現しつつ、冷静に「個人としての経済制裁」を始める。これ以外に今取るべき方法は無いのである。